主な発達障害の特性については下図のとおりですが、重複して現れる人もかなりの頻度で存在します。以前は、知的な遅れがないか軽度である場合に「軽度発達障害」と呼ぶこともありましたが、発達障害としての特性が強いにも関わらず、困難が「軽い」と誤解されることから、「軽度」という表現は避けるようになりました。生来的に発達障害があったにも関わらず、低年齢期には特性が目立たずに見過ごされ、思春期・成人期以降で診断を受ける例(いわゆる「大人の発達障害」)も少なくありません。
一方で,知的な遅れ(軽度から最重度まで様々)を伴う人やてんかん等を併せもつ人もまれではありません。自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)等で知的な遅れを伴う場合に、発達障害としての特性が見逃され、適切な支援を受けずにいる場合もあります。知的な遅れを伴う場合、そうでない場合でも、発達障害としての十分な支援を受けられないまま不適切な対応と相まって、二次的に他の精神疾患を併せもつ例もあります。